植木屋が庭で見かける葉を食害したりする毛虫・芋虫・甲虫などを紹介しています。
名前など間違えなどあるかと思いますがご了承ください。幼齢幼虫と老齢幼虫では違いがあるものもいます。
目次
庭木の害虫防除
庭木を害虫から守るためには日常的に観察が必要となります。庭に出た際にはたまには注意深く観察してみてください。
予防のためにも定期的に植木の手入れをすることをオススメいたします。
なぜなら毛虫類は風通しや日光を嫌う傾向があるからです
枝葉が茂りすぎて風通しが悪くなりますと、病害虫がふえることになります。
植木の害虫駆除
駆除には物理的駆除や生物的駆除、薬剤散布などの科学的駆除などを組み合わせることが大事です。
物理的駆除
物理的駆除は手で取ることです。
毛虫の付いている葉を枝ごと取り除いてください。
特にドクガやチャドクガは触ると危険です。
チャドクガやドクガ、イラガなど刺されると厄介な毛虫もいますので長袖、長ズボン、帽子、合羽など駆除対策をしっかりとして気をつけてください。
特にチャドクガは毒毛が衣服に付着し、気づかずに洗濯し、また他の衣服に付着してかぶれることなどがありますので
合羽などナイロン製の毒毛が付着しにくいものがオススメです。(毛とは毒針毛の事)
植木屋である私も暑くなければ合羽を着用します。合羽はその場で直ぐに洗えるので便利です。
チャドクガやドクガに刺された場合は、毒針毛を取り除くため、刺された患部を粘着テープなどで毒毛を取り除き、洗ってください。
その後かゆみと腫れの症状が出た場合は皮膚科に行くことをオススメいたします。
若齢幼虫のうちは、かたまって潜んでいることが多いようです。この時に除去すると割と楽に取ることが出来ますが、注意して取り除いてください。
甲虫類や毛虫は葉の食べ方の違いがありますので、慣れてくると葉の食べられ方でも判断できたりします。
甲虫類も除去したり消毒は効果的ですが、カメムシのようににおいを出す虫もいますのでお気をつけてください。
筆者個人的に刺されるとかぶれる毛虫は1、チャドクガ。2、イラガ類。3、タケノホソクロバです。
毛虫の耐性は個人差があるようです。私の仕事仲間にもチャドクガに刺されても平気な方もいます。
ちなみに都内でほドクガに私は出会ったことがありません。なので写真もありませんので気になる方は検索してください。
生物的駆除
生物的駆除もなかなか効果的です。鳥や昆虫あたりがそうです。
都市部での鳥ではシジュウカラ、モズ、ムクドリ、ウグイスなどが優秀かと思います。
特に繁殖期には中々役に立ちます。
スズメやメジロも食べなくはありませんが、彼らは木の実や穀物が主食です。
昆虫ではハチ、クモ、カマキリ、テントウムシなどといった益虫と呼ばれる虫達です。
特にアシナガバチやスズメバチは優秀です。
ただし薬剤散布をしますとこの益虫達にも影響が出ますのでご注意ください。
薬剤散布に関して
ご自身で消毒などされる場合は使用上の注意をよく読んで御使用ください。
お客様ご自身の消毒ではオルトラン、スミチオン、マラソンあたりの使用をよく聞きます。
毛虫の種類により大発生の年と少ない年があるようです。
主な庭木の毛虫の画像と解説
ツバキ・サザンカ・チャ・シャラ等

チャドクガ
ツバキ属を暴食する。刺されるとかぶれ、とてもかゆいです。植木屋泣かせの毛虫です。抜け殻なども触れるとかゆくなりますので要注意です。さされた場合は皮膚科に行くことをオススメいたします 。写真は幼齢幼虫です。

こちらはチャドクガの卵。
ツバキ、山茶花、茶類でこちらのようなタマゴを見かけたら取り除くのが良いでしょう。
ふわふわの成虫の体毛で覆われています。弱い方はタマゴでもかぶれますので注意してください

交尾中のチャドクガの成虫です。白っぽいのがメスで下の濃茶がオスです。タマゴが生まれたら厄介なので見かけたら撃退をオススメします。
こちらも触れるとかぶれますので注意が必要です
ツツジ・バラ類

バラ類やツツジなど食害する。年数回発生する。とてもよくみかけます。1~2センチくらいでしょうか。
放置しておくと葉が1枚もなくなることもありますので注意が必要です。

チュウレンジハバチの幼齢幼虫?それとも違う種類かわかりません。ツツジの葉を食べていました。

観にくいですが写真中央にいます。ツツジ、サツキの葉の裏に寄生して吸汁します。
タール状の黒い点はグンバイムシの糞です。

かなりの雑食性。長毛と背面が白くて目立つ叢毛をもった4センチばかりの毛虫。6~7月、9月~10月の年二回発生 。私はツツジ類、ウメなどで見かけます。
竹・笹類

タケノホソクロバ
竹や笹を食害するやや小型の毛虫。毛に触れるとかゆくなる方もいます。たまに大繁殖しています 。
ウメ類・サクラ類・モミジ類・カキ類・カシ類・ナラ類等

こちらは刺されると痛いイラガの幼虫です。刺されると電気が走ったような痛みがありますので注意してください。
カキ、ウメ、モミジ、ヤマボウシ、カシなど雑食性で色々な樹木で見かけます。年1.2回発生。幼齢幼虫時は葉の裏に密集しています。
9月~10月頃がピークのようです。

こちらもイラガの幼虫です。同じイラガでも模様や形が若干異なりますがどれもなまこ状で痛々しい棘があります

こちらもイラガの仲間です。他と比べて少し緑色がつよいでしょうか。

サクラ、ウメ、モモ、カエデなどを暴食する。6月~9月に発生。老熟幼虫は紫黒、老齢幼虫は暗紫赤、毛がある。学校や街路樹などのサクラに大量発生している姿を秋ごろよく見かけます

モミジ、ウメ、ナラ類など食害。5月~6月、8月~9月の年2回発生。老齢幼虫はなかなかでかいです 。攻撃すると威嚇してきます。

サクラ、ツツジなど極めて多犯性の大型毛虫。老熟幼虫は6センチ近くのもなり大変気持ち悪いです。クワガタを採りに雑木林に出向くと結構見かけます

ウメ、サクラ、モモなどを食害。
全身にはザラザラした白点があります。

モミジ。ウメなど食害。5月~7月。9月の年2回発生。私の見た感じではフォルムはなかなかかっこいいです

たぶんクビワシャチホコだと思います。
イロハモミジに付いていました。なかなか種類の判断は難しいです。

トビモンオオエダシャク
大型のシャクトリムシ。枯れ枝の擬態を取るので見つけにくいです。モミジ、サクラ、クヌギなど多数食害。
悪戯攻撃するとたまに挑んできます。私はツバキやスダジイ等に付いているのも確認しています。

ウメエダシャク
黒色野の地に橙黄色班のあるシャクトリムシです。年1回発生。ウメ、モモ、アンズ、サクラ等食べます。

スジモンヒトリ
こちらは足が速く、毛むくじゃらの毛虫のスジモンヒトリです。ザ・毛虫な感じですが毒はありません。
雑食性でちらちら見かけますが大発生は見かけません。
レッドロビン

マイマイガ・・・大型毛虫。ウメ・サクラ類参照。

こちらは刺されると痛いアオイラガの幼虫です。刺されると電気が走ったような痛みがありますので注意してください。
雑食性で色々な樹木で見かけます。年1.2回発生。幼齢幼虫時は葉の裏に密集しています。
9月~10月頃がピークのようです。ウメ・サクラ類参照

こちらはです。イラガは種類が違う場合でも刺されますのご注意を!
6月~10月位まで年二回発生。

ビロウドハマキ・・・カシ類参照
スミレ類を食害

ツマグロヒョウモン・・・ツマグロヒョウモン・・・スミレを食害する。ビオラやパンジーなども食べるようです。近年良く見かけます。見た目は派手ですが刺す訳ではありません。しかしこちらも気持ち悪いです
カイガラムシ類

イセリアカイガラム・・・みかんなどに付くカイガラムシです。
白綿状の卵のうをもつ大型のカイガラムシです。
大発生すると吸汁害のため樹勢が衰えます。
写真のものはナンテンについていました。
大天敵 のべダリアテントウ虫がいいるとかなり捕食してくれます。

ルビロウカイガラムシ・・・観にくいですが小豆色をし白点のような模様もありまり4ミリほどです。
モチノキや月桂樹、柑橘系などでみかけます。
新梢などに寄生して吸汁します。スス病を併発します。
葉の黒い部分はスス病です。
取り除くのがベストですが大量発生となると難しいので枝ごと取り除いてください。

オオワラジカイガラムシ・・・大型で介殻をもたないカイガラムシ。
自由に移動し5,6月ごろ見かけます
クチナシ類

サザナミスズメ・・・こちらもクチナシの葉などを暴食する大型の芋虫。私はスズメガの幼虫類は嫌いです。老齢幼虫になるとかなり大きくなり、知らない間に作業服に付いていたりとても気持ち悪いです
ヤブガラシ・ヤマイモ等

9月~10月発生。サワラに絡まっていたヤマノイモの葉を食べていました。
老齢幼虫らしくかなり大きく気持ち悪かったです

たぶんブドウスズメの幼虫と思いますが判りません。ヤブガラシを食べていました。スズメガの仲間も庭でよく見かけ種類も多いいです。

ヤブガラシなど食害。スズメガの幼虫の仲間は老齢幼虫は結構でかいです。
目立つのか鳥や蜂に捕食も良くされているように思えます
マツ・スギ類

クロマツ、アカマツ、ヒマラヤスギなどにみられます。こちらは越冬前や春先に見かけるマツカレハのサイズです。
幼虫で越冬します。老齢幼虫と比べるとだいぶ違います。
天敵も多くよく捕食されているのもみかけます。
越冬幼虫ですので幹のコモ巻きはかなり有効です。
こちらも刺されるとかぶれる方もいますので注意してください。

各種の松類に発生する刺す毛虫。年1回発生。幼虫で越冬します。老齢幼虫はこれもでかいです。気持ち悪いです。

こちらも松につく芋虫のクロスズメの幼虫です。6月~9月に発生。擬態がうまく松葉にいると気がつきにくいです。

スギドクガ
こちらはスギドクガ。緑色に白い縞があります。年2回発生。スギ、サワラ、ヒマラヤスギなどに付きます。ドクガと名が付いておりますが刺さないようです。

観にくいですが若葉の元辺りにいます。マツノミドリハバチでしょうか?
初めて見かけました。密集してついていました。
気になる方はご用心を。

マツアワフキの幼虫です。
マツの若枝にあわ状の分泌物がついています。
マツを吸汁しています
フジ類

ウンモンクチバもしくはトモエガの幼虫かと思います。
フジについていました。フジ、ハギ、エニシダなどを食害します。
大発生はみかけません
カシ類

ビロウドハマキ・・・やや緑色を帯びた淡黄色で少し白い毛が生えています。
数枚の葉を糸でつづり中に潜んでいます。大量発生はしないようです。
カシ類やモミジなどにつきます。こちらはレッドロビン(西洋カナメモチ)についていました

ツマキシャチホコ・・・ブナ科の木の葉を食べます。
こちらはウバメガシを食べていました。
なかなか派手な色合いです

セダカシャチホコ
中々でかいセダカシャチホコの幼虫です。アラカシを食べていました。大きい物はフンも大きく見つけやすいです。
大繁殖は見かけません。
ヒサカキ類

ヒサカキを食害する。年2回発生。若齢幼虫は葉肉のみ食べるので、食痕は黄色い斑紋となって現れる

白っぽい黄緑色に黒の縦縞がある芋虫です。4~5月にマサキ、マユミ、ヒサカキなどに発生します。あまり動かない印象です。
サワラ類

サワラの木についていました。ヒノキなどを食害します。
非常に葉に似て見事な擬態です
ヤマモモ

名前が合っているか判りません。
ヤマモモを剪定するとよく見かけます。緑色の芋虫でヤマモモに付きます。
なかなか見つけにくいですが数がいると葉を結構食べられます。
個体差があるようで明るい緑色した物もいます。
その他

広葉樹の新梢や細い緑枝に群生し吸汁。5月~7月に発生。成虫はたてに閉じた淡緑色の三角形をしています

シダ類の葉を食べます。葉に溶け込んでなかなか見つけにくく見事な保護色です

初めて見かけました。シイの木で見つけました。
普段はアカガシなどにつくそうです

はて?誰でしょう。詳細わかりません。

ヨモギエダシャクでしょうか?
判断できません。
サンゴジュ・ハムシ類

サンゴジュハムシ
小型の甲虫。成虫、幼虫ともにサンゴジュの葉を食害する。新葉が展開すると幼虫が、成虫は7月頃に葉を食害する。サンゴジュでは良く見かけます

ハムシの幼虫・・・こちらはサンゴジュハムシの幼虫と思われます。小さいので見つけにくいです。
ハムシ類はオトコヨウゾメやガマズミ、オオデマリなど春先に油断していると丸坊主にされます。
コガネムシ類

ドウガネブイブイ・・・銅色をしたコガネムシです。食害量も大きいです。果実や庭木の葉を食害します。どうやら食事中のようです
。

アオドウガネ・・・近年よく見かける甲虫、被害が大きいようです。
シャラ、ウメ、マキなど多くの庭木の葉を食べます。
体色は濃緑色

アオドウガネに食べられたマキの食害例。
食べられた所は茶色くなり醜くなります。

マメコガネ・・・本来は大豆や小豆などのマメ類を食害しますが、樹木も食害します。6月~9月に年1回の発生。
カミキリムシ類

ゴマダラカミキリ
ゴマダラカミキリ。もっとも普通に見られます。白樺などによくみかけます。幼虫はテッポウムシと呼ばれる虫です。樹木から木屑を見かけた時は要注意です。写真は有りませんが近年は特定外来生物のクビアカツヤカミキリも増えていますのでサクラ、モモなどはご注意ください。

キボシカミキリです。
イチジク特有のカミキリムシです。ゴマダラカミキリは黒っぽく背面に白い点がありますがこちらは背面には黄色い斑点があります。こちらもよく見かけます。

ルリカミキリ
小型のカミキリムシです。ベニカナメモチやレッドロビンなどに産卵したりします。幼虫はテッポウムシの仲間です。こちらも近年増えているようです

ルリカミキリの被害例
こちらはルリカミキリの被害にあったベニカナメモチです。
枝内にトンネルを掘りテッポウムシが生息しています
カメムシ類

果実などに口を挿し込み果汁を吸汁します。臭いにおいを出しますので気をつけてください

こちらもカメムシです。カメムシにも何種類もいます。大量発生する年がありますのでお気をつけてください

アカスジキンカメムシでしょうか?カメムシも本当に種類が多いいです。カメラの影響もありますがこちらは色鮮やかでした。
まとめ
毛虫や甲虫などは良く観るとなぜこんな色や形があるのかと思うことがあり魅力的ではあるのですが、
なかなか気持ち悪いです。
たまには観察も面白いかもしれません。