東京都練馬区で、既存の垣根を改修し、天然竹を使った木賊垣を施工しました。

今回の目的は、道路や隣家など外からの視線を遮るための目隠しです。

新しく何もない場所へ竹垣を作るのではなく、これまで庭を囲ってきた垣根を見直し、新しい竹垣へ作り替える仕事になりました。

選んだのは、竹を縦方向に細かく並べて仕上げる木賊垣です。

木賊垣は向こう側を見えにくくすることができる一方、細い竹の縦線が連続するため、重たい壁のようには見えにくい特徴があります。

目隠しとして閉じながら、庭から見た景色は重たくしすぎない。

今回の改修では、そこを大切にしました。

木賊垣の施工例|東京・庭師草庵

今回の木賊垣の施工内容

施工場所: 東京都練馬区
施工内容: 既存垣根の改修・木賊垣の施工
施工目的: 外からの目隠し
竹垣の種類: 木賊垣
主な材料: 天然竹
施工前: 既存の垣根あり
仕上がり: 視線を遮りながら、縦方向の竹を庭の背景として見せる竹垣

今回は新設ではなく、既存の垣根を改修する仕事です。

古くなった部分だけを見るのではなく、

「これからこの場所に、どんな垣根があると庭が落ち着くのか」

というところから考えました。

施工前|古くなった垣根をどう作り替えるか

竹垣や天然素材の垣根は、永久に同じ状態を保つものではありません。

雨。

日差し。

湿気。

風。

こうした屋外環境にさらされながら、少しずつ色が変わり、年月が経てば傷みも生じます。

今回の練馬区の現場にも既存の垣根がありましたが、改修することになりました。

垣根の改修というと、

「古くなったものを新しくする」

だけのように思われるかもしれません。

しかし私たちは、作り替えるときこそ一度立ち止まって考えるようにしています。

以前と同じ形が本当にこの庭に合っているのか。

必要な高さは変わっていないか。

庭木が成長して、以前とは景色が変わっていないか。

今、外からどの方向の視線が気になるのか。

古い垣根をそのまま再現するのではなく、今の庭に必要な垣根を考え直す。

今回は、そこから木賊垣を選びました。

木賊垣とは|竹の縦線を生かした目隠しの竹垣

木賊垣は、竹を縦方向に密に並べて作る竹垣です。

「木賊」は植物のトクサを指し、細い茎が真っ直ぐ立ち並ぶ姿を思わせる竹垣です。

建仁寺垣のように割竹で縦、胴縁の竹で横を見せる形とは少し違い、割竹が縦方向へ連続して見えるのが特徴です。

向こう側を見えにくくできるため、道路や隣家からの目隠しにも使うことができます。

ただ、私が木賊垣で面白いと思うのは、単に「隙間が少ない」というところではありません。

目隠しとして一つの面になりながら、一本一本の竹が縦線として残ること。

完全に平らな壁ではなく、割竹の陰影が連続します。

そこが木賊垣らしい表情です。

なぜ今回の目隠しに木賊垣を選んだのか

今回の目的は、外からの視線を遮ることでした。

そのため、四ツ目垣のように大きく向こう側を透かして見せる竹垣より、ある程度しっかり面を作れる竹垣が適しています。

建仁寺垣や御簾垣、大津垣なども候補になります。

その中で今回選んだのが木賊垣です。

木賊垣は割竹を縦方向に見せるため、目隠しとして面を作りながら、垣根全体が一枚の板のように見えにくい良さがあります。

外からの視線は遮りたい。

しかし庭側から見たときに、大きな壁ができたようにはしたくない。

「閉じること」と「重たく見せないこと」。

この二つを考えた結果、今回の庭には木賊垣が合うと考えました。

木賊垣の魅力は、竹がつくる細かな陰影です

木賊垣を正面から見ると、割竹が縦方向へ並んでいます。

少し離れて見ると、一つの落ち着いた面に見えます。

しかし近づいて見ると、一本一本の竹は丸く、節の位置も違います。

そのため光が当たると、竹一本ごとにわずかな明暗が生まれます。

私は、木賊垣の良さはこの細かな陰影にもあると思っています。

平らな板を並べた塀とは違い、

一本の竹、次の竹、その次の竹と、小さな凹凸が庭の背景に続いていく。

強い模様ではありません。

むしろ、少し離れれば気にならなくなるくらいの表情です。

そのくらいの静かさが、庭木の背景にはよく合うことがあります。

縦の線を揃えすぎない天然竹の美しさ

天然竹は工業製品ではありません。

一本一本、太さが違います。

節の位置も違います。

わずかな曲がりもあります。

木賊垣では割竹を縦方向に並べるため、こうした違いがそのまま見えます。

だからといって、完全に同じ太さの竹だけを選んで均一にすることが正解だとは思っていません。

もちろん、全体が乱れて見えないように竹を選び、一本ずつ納まりを見ながら施工します。

しかし天然素材には、天然素材なりの揃い方があります。

庭木の幹も一本ずつ違います。

枝も同じ間隔には伸びません。

石も同じ形ではありません。

違うものを無理に同じにするのではなく、違いを残しながら全体を整える。

木賊垣を作るときにも、その感覚を大切にしています。

目隠しの高さは「高ければ安心」ではありません

竹垣の仕事をご相談いただくと、

「できるだけ高くして外から見えないようにしたい」

というお話をいただくことがあります。

しかし、目隠しは高ければ高いほどよいとは限りません。

必要以上に高い垣根を作れば、庭側から見たときに圧迫感が出ます。

日当たりや風の通り方にも影響する場合があります。

大切なのは、

道路を歩く人からの視線なのか。

隣家の窓からの視線なのか。

庭で椅子に座ったときの視線なのか。

室内から庭を見たときなのか。

実際に気になる視線がどこから入ってくるのかを見ることです。

必要な場所を必要な高さで隠す。

目隠しの竹垣では、この考え方が大切だと思っています。

古い竹垣は同じ形に作り直すべき?

既存の竹垣を作り替える場合、

「今までと同じ竹垣にしてください」

という方法もあります。

もちろん、その形が庭に合っていれば同じ形式で作り替えることもできます。

しかし、必ず同じである必要はありません。

竹垣が作られてから年月が経つと、庭も変化しています。

庭木が大きくなっている。

建物を改修している。

隣家の状況が変わっている。

以前は気にならなかった方向から視線が入るようになった。

こうした変化があるからです。

せっかく竹垣を作り替えるのであれば、

「以前は何だったか」だけでなく、「これから何が必要か」

を考えてみることをおすすめします。

今回の木賊垣への改修も、その考え方で施工しています。

木賊垣と建仁寺垣は何が違う?

木賊垣と建仁寺垣は、どちらも目隠しとして使われる竹垣です。

大きな違いは、竹の見せ方です。

建仁寺垣は割竹を縦方向に並べ、横方向に押し縁を入れて面を作ります。

そのため、比較的すっきりと端正な印象になります。

木賊垣は割竹を縦方向に並べるため、一本一本の竹の丸みや節がより見えます。

簡単に分けるなら、

端正で整った面を見せたいなら建仁寺垣。

割竹の縦線や陰影を残したいなら木賊垣。

という考え方ができます。

どちらが優れているというものではありません。

庭木、建物、施工する場所の広さ、必要な目隠しの高さなどによって、似合う竹垣は変わります。

木賊垣と大津垣はどう違う?

木賊垣と大津垣も、どちらも目隠しに使える竹垣です。

しかし、見たときの表情はかなり違います。

木賊垣は、縦方向に並ぶ竹そのものを見せます。

大津垣は、細くした割竹を組み合わせ、その重なりを面として見せます。

木賊垣は縦線の連続。

大津垣は細かな竹の重なり。

同じ天然竹でも、庭に入れたときの印象は変わります。

そのため「目隠しになる竹垣」という機能だけで決めるのではなく、庭側から毎日どんな背景を見たいのかまで考えて選ぶことが大切です。

木賊垣はどのような場所に向いている?

木賊垣は、外からの視線を遮りながら、天然竹の細かな表情を庭に残したい場所に向いています。

たとえば、

道路や隣家からの目隠しが必要な場所。

庭木の後ろに自然素材の背景を作りたい場所。

平らな板塀とは違う表情が欲しい場所。

天然竹の縦方向の線を生かしたい場所。

既存の竹垣や垣根を作り替えたい場所。

などで検討できます。

反対に、向こう側を見せながら庭を緩やかに仕切りたい場合には、四ツ目垣などの透かし垣が向いています。

竹垣は名前から選ぶより、

「何を隠して、何を残して見せたいか」

から考えると選びやすくなります。

施工後|古い垣根の改修から、新しい庭の背景へ

既存の垣根を改修し、木賊垣へ作り替えました。

施工後は外からの視線を遮りながら、庭側には天然竹の細かな縦線が並びます。

今回の施工で目指したのは、

「古い垣根を新品に交換した」というだけの仕上がりではありません。

垣根を作り替えることで、庭の背景も一度整え直す。

その結果、以前からある庭木の幹や枝葉が、新しい竹垣を背景に見えるようになります。

垣根が変わるだけで、庭木そのものを植え替えなくても庭の印象が変わることがあります。

今回の改修も、竹垣だけを見るのではなく、庭全体の中で木賊垣がどう見えるかを考えて施工しました。

木賊垣の施工例|東京・庭師草庵
木賊垣の施工例|東京・庭師草庵

天然竹の木賊垣は時間とともに表情が変わります

天然竹の木賊垣は、施工した日の色がずっと続くわけではありません。

新しい竹は明るく瑞々しい色をしていますが、屋外で雨や日差しを受けながら少しずつ色が落ち着いていきます。

年月が経てば割れや傷みも生じます。

庭師草庵がこれまで天然竹の竹垣を施工・改修してきた経験では、屋外の竹垣は7~8年前後を一つの目安として考えています。

ただし、実際の寿命は日当たり、雨の当たり方、湿気、設置環境などによって変わります。

長期間ほとんど変化しないことを最優先するのであれば、人工竹などが適している場合もあります。

天然竹を選ぶということは、

新しいときの美しさだけでなく、少しずつ庭へ馴染んでいく時間も含めて選ぶこと

だと思っています。

竹垣の改修費用は何で決まる?

既存の竹垣や垣根を作り替える場合、費用は新しい竹垣の長さだけでは決まりません。

主に、

既存垣根の撤去。

廃材の処分。

竹垣の高さと長さ。

使用する竹や柱の種類。

施工場所への搬入条件。

作業できるスペース。

既存の柱や基礎を利用できるか。

などによって変わります。

特に改修工事では、古い垣根を撤去して初めて分かる状態もあります。

そのため庭師草庵では、単純な「1mいくら」だけではなく、現在の垣根と設置場所を確認したうえで施工方法を考えています。

お問い合わせの際に、既存垣根の全景・傷んでいる部分・周囲の庭が分かる写真を送っていただけると、ご相談が進めやすくなります。

練馬区で竹垣・垣根の作り替えをお考えの方へ

竹垣や天然素材の垣根は、いつか作り替える時期がきます。

竹が割れてきた。

垣根が傾いてきた。

縄が切れてきた。

柱が傷んできた。

目隠しとして隙間が気になる。

そのような状態が見られたら、改修を考える時期かもしれません。

ただ、古くなった垣根をそのまま同じ形に戻すだけが方法ではありません。

今の庭。

今の庭木。

今必要な目隠し。

これからどんな庭にしていきたいか。

そうしたことを見直す機会にもなります。

庭師草庵では東京・練馬区を拠点に、練馬区をはじめ東京都内で天然竹の竹垣施工や古い竹垣・垣根の作り替えを行っています。

「今ある竹垣を直せるのか分からない」

「全部作り替える必要があるのか見てもらいたい」

「竹垣の種類は分からないけれど、自然な目隠しにしたい」

という段階でも構いません。

まず今ある垣根と庭を見て、残せるもの、直すところ、作り替えたほうがよいところを考えます。

植木屋に竹垣の改修を頼むということ

竹垣の改修は、古い竹を撤去して新しい竹を並べれば終わり、という仕事ではないと思っています。

垣根の手前にある庭木は、以前より大きくなっているかもしれません。

枝の位置も変わっています。

庭の使い方も変わっているかもしれません。

だからこそ、作り替えるときには垣根だけを見るのではなく、

その後ろと手前にある庭まで見る。

庭師草庵では、剪定や植栽、庭づくりと同じように、竹垣も庭を構成する一つの仕事として考えています。

竹垣を新しくすることで、以前からある木がきれいに見える。

庭が少し落ち着いて見える。

外からの視線を気にせず庭で過ごせる。

そこまで含めて、竹垣を作り替える意味だと思っています。

竹垣の種類・費用・選び方を詳しく知りたい方へ

竹垣には木賊垣のほか、建仁寺垣、御簾垣、大津垣、四ツ目垣、袖垣などさまざまな種類があります。

目隠しに向いている竹垣。

庭の仕切りに向いている竹垣。

天然竹と人工竹の違い。

竹垣の寿命。

施工・作り替え費用の考え方。

それぞれについて、竹垣の総合ページで詳しくご紹介しています。

竹垣の種類・費用・選び方|東京・庭師 草庵竹垣の種類・費用・選び方|東京の植木屋が施工例で解説

竹垣の名前が分からなくても問題ありません。

「今ある垣根が古くなってきた」

「道路や隣家から自然に目隠しをしたい」

「庭木に合う竹垣へ作り替えたい」

というところからご相談ください。

古い垣根をどう直すかだけでなく、これからその場所にどんな垣根があると庭が落ち着くのか。

庭を見ながら、一緒に考えさせていただきます。

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